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2011 年08 月26 日

泉南石綿禍訴訟大阪高裁判決

大阪高裁(三浦潤裁判長)で、今日、元従業員・周辺住民の逆転敗訴判決が言い渡された。 新聞報道によると、大阪高裁は「新たな化学物質などを弊害が懸念されることを理由に規制を厳しくすれば、工業技術の発達や産業社会の発展を著しく阻害する」として規制の時期や内容は行政による高度に専門的な判断に委ねられているとして、国の規制には一応の合理性があり、規制権限の不行使は国賠法上違法とはいえないとした これまでの判例法理では、被侵害法益が生命、身体の安全にかかわるときは、国の規制権限の不行使を違法とすることが多く、地裁判決でも、旧じん肺法が成立した昭和60年までに国が規制権限を行使しなかったことを違法としたが、今回の判決では、その時点ではまだ産業発展を優先させた国の判断を是認したということになろう。せっかく、水俣病国賠訴訟で築き上げられてきた国民の生命・身体の安全を優先する考え方が、クロロキン網膜訴訟の水準にまで下がった感じがする。 ちなみに、三浦潤コートでは、開浄水場休止差止訴訟でも敗訴判決を受けて、現在、上告・上告受理申立中だ。

投稿者:ゆかわat 22 :48| ビジネス | コメント(0 )

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